「銀河鉄道の夜」には、現在読まれている、いわゆる“最終形”のほかに、“初期形”と呼ばれる少し違った物語もあります。その中にケンタウル祭の夜には「みんなが町の広場に集まって一緒に星めぐりの歌をうたったり」するとあります。この広場にジョバンニは行かなかったので、その場所を推定する手掛かりはありません。もし、当時の花巻にそのモデルとなった所を探せば、次に述べる御旅屋か、花巻駅前か、あるいは馬検場か、などと考えられます。しかしヨーロッパの広場が町の中央にあることが多いことを考えれば上町か四日町あたりに広場があるように賢治はイメージしたのでしょう。でもそこに実際には広場がありません。もしも広場があったなら、と想像して、建物に広場の名のついた「賢治の広場」「まちなかビジターセンター」(上町)あたりと考えて見るのも面白いでしょう。
賢治の広場 |
星めぐりの歌 ♪宮澤賢治♪ オリオンは高く うたひ 大ぐまのあしを きたに |
蔵を利用した |
物語に出てくるジョバンニの街の各地点のなかでモデルとなった場所を花巻の街の中に見つけるのが難しいものは、この広場以外にもいろいろあります。ジョバンニの家、牛乳屋(牧場とも)、天気輪の柱の丘 …などです。さああなたも探してみませんか?