「イギリス海岸」は「銀河鉄道の夜」の中では銀河のほとりの「プリオシン海岸」として登場します。イギリス海岸を東北帝大早坂助教授が訪れ、化石採集を行ったことをモデルにした話をプリオシン海岸のエピソードにしました。
花巻は地上のジョバンニの街のモデルであるばかりでなく、天上の銀河のほとりのモデルにもなったのです。でも、もともと岩手軽便鉄道が銀河鉄道のモデルなのですから当然かもしれません。そのプリオシン海岸へは、ジョバンニたちが、白鳥の停車場で途中下車して行ったという話になっています。その白鳥の駅の停車場前にはイチョウの木があるといいますから、小舟渡八幡宮のイチョウの付近に駅があると賢治は考えたのでしょう。プリオシン海岸での大学士の原牛(ボス)化石の発掘を見学して、二人はまた列車に戻ります。駅名はもちろん星座からの命名ですが、本物の白鳥がイギリス海岸付近に飛来することもあります。プリオシンとは地質時代の名(鮮新世)です。
創作された「白鳥の停車場」(駅名は横書き、旧かな) |
小舟渡八幡宮 |
白鳥の停車場の地面の白鳥座のモザイク |
イギリス海岸のバス停留所は、小舟渡八幡宮のイチョウの近くにあります。このバス路線はかって岩手軽便鉄道の路線だったので、この停留所に白鳥の停車場を創り、賢治世界への入口の一つにしております。