- [ 米地 文夫(岩手県立大学名誉教授、ハーナムキヤ景観研究所所長)]
- 先生のガイドで花巻の残る賢治作品の舞台や題材に光を当てながら、花巻の街に星と星座の輝きを取り込む。
賢治・星めぐりの街活性化協議会と事業開始の経緯
[平成21年度事業]
宮沢賢治生誕の地である花巻は、明治期には卸まちとして大いに栄え、また、藩政時代よりの温泉保養地として台温泉・志戸平温泉・鉛温泉と、さらに、大正期には花巻温泉が大いに繁栄してまいりました。しかし、近年、花巻の中心市街地は都市基盤整備で銀河プロムナードや、歩道整備・街路灯の整備・アーケードの架け替え・共同立体駐車場の整備等が行われたにもかかわらず、衰退に歯止めがかかりません。
そこで宮沢賢治の生誕地である花巻は、多くの作品とかかわりの深い地でもあります。花巻の文化資源として賢治作品の幻想の舞台となったと考えられる場所や施設を啓蒙・紹介し、それらの場所を“夜空に燈めく星”として捉え、星と星を結び`“星座”として位置づけ、賢治・星めぐりの街として多くの観光客・交流客が、花巻の観光資源・文化資源を訪ねて来ることにより、かつての花巻の賑わいを取り戻したいと考えました。
先般、平成21年9月11日に株式会社木村設計A・Tが、財団法人いわて産業振興センターの主催する「いわて希望ファンド地域活性化支援事業」の「中心市街地活性化支援事業」に応募いたしました。その内容は、宮沢賢治の生誕地として花巻の街を活性化してゆこうとするものであります。
具体的には、賢治と花巻の関わりを具体的に求めて調査・検証することを目的として「花巻中心市街地の賢治星めぐりの街活性化調査事業」を提案した結果、花巻の商工団体と連携することという条件付きで採択されたのであります。
調査事業は、平成21年9月14日から1年間、平成22年9月13日までであり、事業費 は 2,217,600円で、うち助成金は、 1,995,840円です。差額の221,760円は、株式会社木村設計A ・Tの負担(セミナーの連絡や資料づくりのための経費)となります。助成金の対象経費は、講師謝金・交通宿泊費・会場費・「賢治・星めぐりの街」回遊パンフレット10, 000部の制作費等で、飲食費等は認められません。 具体な事業内容としては下記に示す項目であります。
[平成23年度事業について]
平成23年度は、母体である「賢治・星めぐりの街活性化協議会」を、花巻商工会議所が継承しかつ組織を拡大「賢治・星めぐりの街づくり推進協議会」という名称で、平成22年度と同様に財団法人岩手県産業振興センター「いわて希望ファンド活性化事業」の「中心市街地活性化支援事業」に応募し、採択されました。
平成23年度は、東日本大震災を受けながらも平成22年度事業の継続であるセミナーを開催し、賢治・星めぐりの街づくりマップが、旧花巻市街の平面的なマップを補完する時間的なマップ他、ボランティアガイドブックを作成しました。