シグナルは東北本線(在来線)のシグナルで、若様と呼ばれる名門の青年のように描かれ、シグナレス(シグナルを 女性風にした名前)は岩手軽便鉄道花巻駅付近に立ち、二本いや二人は恋人でした。身分違いの恋に悩む二人は、天空の環状星雲をエンゲージリングに見立てて愛を誓います。
童話にしては熱烈な?愛の物語ですが、実はこの童話が新聞に掲載された大正十二年は岩手軽便鉄道をその当時の東北本線と同じく国有化してもらいたいという運動の最中でしたから、それを童話化したともいえます。
岩手軽便鉄道花巻駅跡の石標 |
岩手軽便鉄道花巻駅ホーム『国有記念岩手軽便鉄道』より |
賢治ゆかりの林風舎 |
なはんプラザ北面のからくり時計銀河ポッポ |
国有化が実現したのは昭和11年です。賢治はその3年前に亡くなっていますので、シグナル夫人となったシグナレスは見ることができませんでした。