カムパネルラの捜索現場
ジョバンニの街の川に落ちたカンパネルラを探す場面があり、この場面は花巻の朝日橋付近がモデルと考えられます。
この朝日橋は賢治がなくなる1年前に完成した橋で北上川に架かるワーレントラス橋で鉄骨のやぐらを組んだような特徴を持っています。この橋も『銀河鉄道』に登場する橋「橋のやぐら」のモデルと考えられます。
当時の朝日橋は、北上川の他にの手前(西側)の「瀬川」の二つの川を渡る橋でした。そしてこの2つの川は、朝日橋の下流で合流し、その合流点の前は中州とは異なりますが中州のような型になっており、朝日橋の橋から直接そこに降りることができました。この場所は『銀河鉄道の夜』の中で水に落ちたカンパネルラを探す人々が「河原のいちばん下流方の洲のやうになって出たところに人の集まりがくっきりとまっ黒に立っていました。」の表現にぴったり一致します。
この川岸が重なる洲になっていた場所が作品の中のカムパネルラが川に落ち、捜索される場所のモデルと考えられます。 この場所は、その後瀬川が上流で切り替えになり、2つの川が交わっていませんが、その中州の面影が残っています。毎年8月に「イーハトーブフォーラム」のイベントとして花火大会がこの場所付近で行われています。
現在の朝日橋 |